健康・介護のまめ知識
2018年4月 1日
リハビリテーションの紹介 その14
今回は血圧について紹介します。
しかしその値だけでなく「脈圧」を見ることも大事になってきます。
脈圧とは?
「収縮期血圧(上の血圧)の値-拡張期血圧(下の血圧)の値」のことです。
脈圧の基準値は正常といわれる範囲は(30~50㎜Hg未満の範囲)と言われます。また、高血圧の診断基準での血圧の正常範囲は
「収縮期血圧(上の血圧)120以上130未満/拡張期血圧(下の血圧)80以上85未満」とされています。
では脈圧の高い低いによってどのようなことが起きているのでしょうか。
基本的に脈圧は大きすぎても小さすぎても、動脈硬化やその他循環器疾患と関係していると考えられます。
【脈圧が高い場合(収縮期血圧と拡張期血圧の差が大きい)】
大血管レベル(大動脈などの全身に血液を送り出す太い血管)の動脈の硬さが疑われます。
加齢などにより動脈硬化が進むと、上の血圧が高いのに、下の血圧が下がる状態になります。これは、心臓に近く太い血管の動脈硬化が進行していることを意味しており、上記のような高血圧の診断基準の正常値よりも低いからといって安心はできません。脈圧が50以上になると心血管病になるリスクが上がり60以上になると心血管病で死亡するリスクが上がるという報告があります。
【脈圧が低い場合(収縮期血圧と拡張期血圧の差が小さい)】
収縮期血圧(上の血圧)が低下し、拡張期血圧(下の血圧)が高くなるときです。拡張期血圧(下の血圧)が高くなる原因としては、太い動脈に押し出された血液がスムーズに末梢まで流れていってない、ということが考えられます。拡張期血圧(下の血圧)だけが高いことによる脳卒中や心筋梗塞の死亡率は正常な血圧の人とほとんど差がないと言われています。しかし、細い末梢血管への血流が悪いためこの状態のままでは太い血管にも動脈硬化が進行し収縮期血圧(上の血圧)もどんどん上がってしまいかねません。
脈圧に関して紹介しましたが今回の内容は病気や血圧に関するさまざまな要因の一部です。血圧を測定し気になることがあれば専門医に相談することをおすすめします。今回のコラムで血圧(上の血圧、下の血圧)だけでなく脈圧についても興味を持っていただけたら幸いです。
平成30年4月1日 リハビリテーション課