健康・介護のまめ知識

2014年3月10日

一過性脳虚血発作(TIA)

今回は高齢者の方に時折ある 一過性脳虚血発作について触れたいと思います 一過性脳虚血発作(TIA)とは、 脳に行く血液の流れが一過性に悪くなり、 運動麻痺、感覚障害などの症状が現れ、 24時間以内、多くは数分以内にその症状が 完全に消失するものをいいます。 脳梗塞の前触れとして重要です。 原因は大きく分けて2つあります。 ひとつは血管の壁にできた小さな血栓が脳内の動脈に 流れていく場合です。 頭蓋骨外の頸動脈や椎骨脳底動脈のアテローム硬化病変が みられる部位から微小な血栓がはがれて、 脳内の血管へ飛んで詰まり、症状が現れます。 脳の血管が詰まると、その部分の組織の循環と代謝に 障害が起こり、機能が停止します。 脳の機能はそれぞれの部位で違うので、 損なわれた部位により症状は違ってきます。 血栓がその場所で詰まったままで、 その組織の障害が元にもどらないほどの 程度になると脳梗塞と呼ばれる状態になります。 しかし血栓が小さかったり血栓の詰まり方が弱いと、 いったん詰まった血栓は自然に溶けて再び血液が 流れるようになり症状は消失します。 この状態がTIA(一過性脳虚血発作)です。 心臓弁膜症、心房細動、心筋梗塞などの心疾患が 原因になる場合もあります。 ごくまれに、線維筋形成不全症という血管の奇形や 血管炎などが原因になることもあります。 もうひとつは、血圧が急激に低下する場合です。 もともと動脈硬化があることから太い動脈の狭窄や閉塞があり、 これに全身の血圧の低下が加わり、 脳への循環が悪くなる状態で、脳血管不全とも呼ばれます。 TIAが臨床的に重要なのは、脳梗塞の前触れになるからです。 TIAがあった場合、約10%が1年以内に、 約30%が5年以内に脳梗塞を発症するとされています。 2週間以内に4回以上の発作がある場合、 2週間以内に頻度、持続時間、重症度が急速に 増している場合、 心臓の異常が塞栓の原因と考えられる場合は 早期入院・加療が必要ですので、 直ぐに症状が治まったとしても軽く考えずに、 必ず医療機関を受診するようにしてください。 以上、デイサービスセンターいきいきからの豆知識でした 2014.4.1

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