健康・介護のまめ知識

2014年9月25日

リハビリテーションからの紹介12

重力が与える影響(足腰の筋肉を鍛えるため必要なもの) 人間の生活は重力の影響を受けています。日常生活の中での起居・移動動作は、重力を如何にコントロールするかが課題です。しかし、重力は空気と同様、存在していることが前提であるため、皆さんその恩恵を実感することはあまりないのではないでしょうか。 今回は重力の大切さを述べてみたいと思います。 宇宙飛行士は体がボロボロ 宇宙飛行士は食事をきちんと摂っているものの、無重力状態で筋肉の活動する余地がない為、筋力が急激に低下していきます。若く健康で、体力もあり厳しい訓練に耐え抜いた選び抜かれた人であるにも関わらず、宇宙飛行後には急速に歳をとったような変化が現れる。その最大の理由が「重力」と言われています。 宇宙飛行士に起こる身体の変化は、老化していく際の身体の変化と一致します。すなわち、「老化現象の多くは加齢だけが原因でなく徐々に重力の恩恵を避けるようになったため」という仮説が立てられます。 重力は我々の身体を絶えず地面に引っ張り続けているので、無意識のうちに我々は筋力を用いて重力に挑戦しています。地球上の1G(Gは重力の単位)の世界で、たっているだけなら踵にかかる負荷は1Gのまま 歩けば1.2G ジョギングで3G ジャンプで6Gに増えていきます。 老化と同様 老化によって活動量が減り、ベッドで寝ている時間が長くなるということは、宇宙空間と同じ環境の場合があります。本来、筋肉は重力と闘うためのものであり、特に二足歩行する人間の筋肉の維持にとって重力のある環境がいかに重要であるかです。しかし文明が発達した現代は重力に抗した、きつい運動をほとんどせずに済んでいます。そのような環境は健康への悪影響をもたらす可能性が高くなるのでしょう。重力を利用した生活習慣を身につけることができれば健康かつ活動的でいられる時間が長くなるのではないでしょうか。 少し難しい話になりましたが、要するに 寝ている時間が長くなると足腰の筋肉が減ってきます。したがって 「重力の影響を受けやすい、立位での姿勢で運動することが大事です。寝たまま行う運動だけではだめですよ。」 ということです。

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