健康・介護のまめ知識
2010年12月15日
マイコプラズマ肺炎について
今回は、今年になって特によく耳にする
マイコプラズマ肺炎について少し書いてみます
肺炎マイコプラズマという病原体が感染することでおこります。
幼児、小中学生に多い肺炎です。
4年に1度流行するといわれています。
以前はオリンピックの年に流行するといわれていましたが、
毎年、一年中あります。
原 因
肺炎マイコプラズマという病原体が感染しておこります。
潜伏期間は長く1~4週間といわれています。
感染力は強く、飛沫感染と考えられています。
肺炎マイコプラズマは軽度の風邪症状から気管支炎、
肺炎と様々な病気を起こします。
乳幼児に感染しますが、肺炎になることは少なく、
風邪や上気道炎で終わることが 多いです。
5歳以上になると肺炎症状がでてきます。
感染後に無症状の保菌状態が続きますが、
感染源にはならないと考えられています。
感染後、免疫は長続き しません。
したがって、また感染することがあります。
これがマイコプラズマの電顕写真です
症 状
咳と発熱がありますが、全身状態はあまりひどくなりません。
咳は次第に強くなります。あまり痰のからまない、
乾いた咳がこんこん続きます。そのわりには元気があります。
細菌によっておこる細菌性肺炎に比べるとかなり軽い印象です。
呼吸障害はでませんし、全身状態も悪くなりません。
レントゲンでの肺炎像も淡い影がうっすらと見える程度のものです。
このため、いつまでも咳が続いていて、
肺のレントゲンを撮って初めてわかることがあります。
ちなみにこれがCT画像になります
治 療
肺炎マイコプラズマに効く抗生物質を使います。
内服で効果があります。
この場合入院して治療する場合と、入院せず家で安静にして、
抗生物質を内服することで治癒することも少なくありません。
2週間は抗生物質を続けます。
経 過
抗生物質が効果があるので1週間程で影が消えてよくなります。
影が消えにくく2週間以上かかることもあります。
また肺と胸膜という空間に浸出液という水がたまる
こともあります。
これは合併症の一つですが、これも次第に治っていきます。
その他の合併症として発疹(10%位)、嘔吐や下痢等の
消化器症状、眼球結膜充血、肝機能異常、膵炎、
無菌性髄膜炎などが報告されています。
家庭での注意点
入院治療が基本ですが、家庭でも治療できます。
安静、加湿が必要です。
水分は多めに摂取しましょう。
入浴は熱が下がって肺炎像がよくなり、
咳が軽くなったらさっと入ることができます。
今年は例年よりも感染についてよく耳にするので、
咳が長く続くようで怪しいな・・・ と感じたら
まずかかりつけの医療機関へ診察に行くようにして下さいね
以上、
デイサービスセンターいきいきからの健康豆知識でした
2010年 12月 15日(水)