健康・介護のまめ知識
2022年10月21日
インフルエンザが流行る前に
インフルエンザとは急激に発症し、流行は爆発的で短期間内に広がる感染症です。規模はさまざまですが、毎年流行しています。しばしば変異(型変わり)を繰り返してきた歴史があり、今後とも注意を要します。合併症として、肺炎・脳症・中耳炎・筋炎などがあります。特に幼児・高齢者などが重症になりやすいといった特徴があります。
毎年12月頃から翌年3月頃にかけて流行します。A型もB型も大規模な全国流行を起こすことがあります。流行期間は比較的短く、一つの地域内では発生から3週間以内にピークに達し、ピーク後3~4週間で終息することが多いです。
『日頃の対応(予防法)』
インフルエンザウイルスは感染力が非常に強いことから、出来るだけウイルスが屋内(家内)に持ち込まれないようにすることが感染防止の基本とされています。
インフルエンザが発生した場合には、感染の拡大を可能な限り阻止し、被害を最小限に抑えることが重要になります。
予防策としては、ワクチンの接種を行うことが有効になります。インフルエンザワクチンの最も大きな効果は「重症化」を予防する事です。国内の研究によれば、65歳以上の高齢者については、34~55%の発病を阻止し、82%の死亡を阻止する効果があったとされています。
インフルエンザが流行するシーズン前に、予防接種の必要性・有効性・副反応について十分に説明され、同意が得られれば、安全に接種が受けられるように配慮されます。
また、咳をしている人には「サージカルマスク」を使用して頂く事も効果的です。
さらに、日頃からこまめに換気や手洗い・うがいを行うことも重要になります。
『発生時の対応』
<疑うべき症状と判断のポイント>
・急な発熱(38~40℃)と全身症状(頭痛・腰痛・筋肉痛・倦怠感など)
・これらの症状と同時に、あるいはやや遅れて、咽頭痛・鼻汁・鼻閉・咳・痰などの気道炎症状
・腹痛・嘔吐・下痢などの消化器症状を伴う場合もあります。
<感染を疑ったら?>
インフルエンザに対しては治療薬がありますので、早く気付いて、重症化する前に治療につなげる事が重要です。
・インフルエンザを疑う症状があった場合は、早めに医師の診察を受けます。
・インフルエンザを疑う場合(および診断された場合)には、基本的には個室対応となる。
・インフルエンザウイルスに曝露された可能性が高い人に対して、抗インフルエンザ薬の予防内服が行われる場合がありますが、その対象となるかは、医師と相談して慎重に判断する必要があります。
〖ワンポイント〗
新型インフルエンザとは、季節性インフルエンザと抗原性が大きく異なるインフルエンザであり、一般に国民が免疫を獲得していないことから、全国的かつ急速なまん延により国民の生命及び健康に重大な影響を与える恐れがあるものとされています。2009年、メキシコや米国等で確認された新しいインフルエンザ(H1N1)を感染症法第6条第7号に規定する新型インフルエンザ等感染症に位置付け、感染の拡大を防止する様々な対応が国際的な連携のもとに行われました。その後、季節性のインフルエンザワクチンに、当時流行した新型インフルエンザ(A/H1N1)の型が入るようになりました。現在は、その年のシーズンに流行することが予測されると判断されたウイルスを用いて、季節性インフルエンザワクチンが製造されています。
2022.10.21 ふじのもりヘルパーステーション