健康・介護のまめ知識
2012年3月 1日
レビー小体型認知症
認知症と言えば、一般的に脳血管型認知症・アルツハイマー型認知症が有名ですが、
今日はもうひとつ、レビー小体型認知症を御紹介いたします。
レビー小体病(Dementia with Lewy bodies)は
認知症ではアルツハイマー病に次いで多い病気で、
認知症全体の約2割を占めるといわれるほど
比較的頻度の高い痴呆性疾患として最近国際的に注目されています。
この病気は物忘れもあり、一見アルツハイマー病に似ています。
この病気は、主として大脳皮質の多数の神経細胞内に「レビー小体」という
特殊な変化が現れるもので、レビー小体型認知症、
びまん性レビー小体病とも呼ばれています。
パーキンソン病の場合はレビー小体が脳の下の方にある「脳幹」に出るのに対し、
レビー小体型認知症の場合は、大脳皮質全体に出現します。
この変化による物質を発見者の名前をとって「レビー小体」と呼んでいます。
レビー小体は、パーキンソン病に特徴的なものと見なされていましたが、
最近では、パーキンソン症状のない患者にもみられることがわかってきました。
特に、大脳皮質と呼ばれる部分にレビー小体が多数出現してくるものを
レビー小体病と呼んでいます。
で、次に挙げるのがレビー小体型認知症の特徴です
○アルツハイマーと似た症状
・時間と場所の認知障害
・気分、態度の変化
・判断力、分別、見識の減少
・独創力、統率力の欠如
・注意力散漫、記憶の混乱
○パーキンソン病と似た症状
・筋肉の収縮(ゆっくりとした動作、凍ったような姿勢)
・バランスの悪さ、ひきづるような足取り
・手足の震え
・猫背の姿勢
・嚥下困難、弱々しい声
・気絶、卒倒
○その他の典型的特徴
とても生々しい幻視がみえる
「座敷で3人の子供たちが走り回っている」といった、非常にリアルな幻視を見ます。
幻視は、極めてリアリティのある等身大の人物群が登場することが多く、
等身大の人物が多く出てくるという特徴があります。
日によって症状に変動がある
正常に思えるときと様子がおかしいときが繰返しみられます。
また、日によって症状が良かったり、悪かったりすることも特徴です。
多くの患者さんでは、経過を追ってゆくとパーキンソン病の症状が出現してくるため、
途中でレビー小体病と気づかれる場合が少なくありません。
パーキンソン症状がみられる
歩きにくい、動きが遅い、手が不器用になるなど。
脳血流検査ではアルツハイマー病に似た特徴(頭頂葉・側頭葉の血流低下)に加え、
視覚に関連の深い後頭葉にも血流低下がみられます。
レビー小体病は、初期に幻覚(特に幻視)や妄想が出ます。
そのうちに、物忘れなどの認知症の症状が現れ、さらに体が硬くなる、
動作が遅くなる、小またで歩くなど、パーキンソン病に似た運動障害が出てきます。
徐々に進行して、高齢者の場合では数年もすると寝たきりになることも多い病気です。
早期に正確に診断することで、治療効果が期待でき、
適切な治療を受けると見違えるほど元気になる患者さんもおられるので、
まずはかかりつけ医に相談することが大切です。
以上、デイサービスセンターいきいきからの豆知識でした