健康・介護のまめ知識

2011年3月 8日

リハビリテーションからの紹介その8

リハビリを受けられる患者様より「湿布」について以下の質問を頂きました。

「温湿布と冷湿布どちらが効果あるのですか?」

そこで今回は「湿布」についてご紹介します。

●湿布の主な効能・効果

腰痛、筋肉痛、肩こりに伴う肩の痛み、関節痛、腱鞘炎(手・手首の痛み)、肘の痛み、
打撲、捻挫などの消炎・鎮痛。

※「温湿布」も「冷湿布」も同じ消炎鎮痛剤を用いているため、薬の効果は同じです。

●湿布の種類と特徴

湿布には「冷湿布」と「温湿布」があります。

「冷湿布」

 主に炎症・痛みの抑制を目的とした湿布薬です。筋肉痛や肩こりなど、急性の痛みの緩和に効果的です。
抗炎症効果(炎症物質生成の阻止)や鎮痛効果などが得られます。カンフルやメントール、ハッカ油など冷たさを感じる成分が配合されています。

「温湿布」

 主に血行の改善による痛みの抑制を目的とした湿布薬です。肩こり、腰痛など慢性的な痛みに効果的です。
血液循環の改善,および新陳代謝促進をもたらし、関節・筋肉の鎮痛効果が得られます。トウガラシエキス、ノニル酸ワニリルアミド(合成トウガラシ)、ニコチン酸エステルなどの温感刺激剤が配合されています。

●「冷湿布」と「温湿布」どちらを使用した方がよいのでしょうか?

 一般的な痛みに対しては、冷感と温感の「どちらが気持ちよいか」で使い分けるのがよいといわれています。
どちらも湿布の主な効能・効果は同じですが、原則として急性の痛みには「冷湿布」を慢性的な痛みには「温湿布」を使用しています。

●湿布の成分

サリチル酸メチル
 知覚神経の末梢に作用して、軽い知覚麻痺を起こさせ、痛みを鎮める成分です。局部の血の流れを良くすることで溜まった老廃物が排除されやすくなり、新陳代謝を高めます。

dl-カンフル:
 
穏やかに局部を刺激することで血行をよくし、鎮痛効果をもたらす成分です。

トーメントール:
 (冷湿布成分) 冷やす効果のある成分です。冷感により細胞の活動が抑えられるので腫れを抑え、痛みをやわらげます。

トウガラシエキス:
 
(温湿布成分)血管を拡張させ、血行をよくする成分です。

インドメタシン:
 
解熱・鎮痛・消炎作用を持つアリール酢酸系非ステロイド抗炎症剤。効果が強く、妊娠中の女性や消化性潰瘍、重性の血液傷害、肝臓・腎臓障害 、心不全、膵炎の方は使用できませんのでご注意ください。

●「湿布」の副作用

 薬局などで手軽に購入できる「湿布」ですが、湿布薬は医薬品です。湿布薬を使用する際は、注意事項や副作用の説明書きを確認するようにしてください。

湿布にもメリット(効果)・デメリット(副作用)があります。安全に湿布を使用しましょう。

ページトップへ戻る