整形外科とは

肩こり、腰痛などの悩みなら

人が生き生きとした生活を送るためには、立つ、歩く、物を持つなど自分の体を動かすことが必要で、体を動かすためには運動器が必要です。運動器とは骨、関節、靭帯、腱、神経、筋肉など体を安定させ、動かすために必要なものです。

この運動器の病気、外傷(けが)、先天性疾患(生まれつきの変形など)を治療するのが整形外科です。年齢も新生児、小児から高齢者まで幅広く診ています。運動機能をできるだけ元通りにすることを目標とします。

不幸にして運動機能の回復が十分に得られなかったとしてもリハビリテーションを行うことで、残った機能を最大限に活用して社会生活が満足にできるように復帰させることができます。運動機能の障害だけでなく痛みを主とする疾患(神経性疼痛、関節リウマチなど)の痛みを取ることも整形外科の主な仕事です。

高齢化社会の到来とともに、動きの悪くなった手足をリハビリテーションで動きやすくして快適で豊かな生活ができるようにするのも整形外科の大きな役割の一つです。

高齢者では骨粗鬆症のため骨がもろくなっていることが多く、転倒して骨折しないように、また寝たきりにならないようにすることが大事です。最近では骨粗鬆症に対する治療も進歩しており、個々の生活スタイルに合わせた治療が可能です。

整形外科の診療について

内服、外用薬、トリガー注射、ブロック注射、リハビリテーション、日常生活指導など手術以外にも様々な治療の選択肢があります。もし体のどこかが痛い、手足がしびれて思うように動かせないといった症状でお悩みでしたら整形外科を受診してください。

関節リウマチの診療について

関節リウマチの悩みなら

関節リウマチという病気になったら一生治らない、手足の指がどんどん変形する、日常生活が制限され寝たきりになるなどかなり悪いイメージではないでしょうか。関節リウマチは手指をはじめとした全身の関節に炎症が生じる病気であり、従来から様々な治療が行われてきましたが治療効果が十分ではなく関節の破壊が進行し変形することで多くの方の日常生活が制限されていました。

約10年の間に関節リウマチの治療は劇的に変化

しかし、1999年にリウマトレックスⓇが発売されてから大きく治療が変わりました。従来の薬と比べて非常に効果が高く、現在では要の薬となっています。それでも症状の進行を止められない場合もあり、2003年に生物学的製剤と呼ばれる薬が発売され、いよいよ治癒可能な時代に突入しました。関節の変形を食い止めることができるようになったのです。約10年の間に関節リウマチの治療は劇的に変化しました。より早期に診断し最初から強力な治療を行うことで寛解、治癒を目指す時代です。気になる症状のある方はためらわずに受診してください。

目標は、「関節破壊の進行を止め、将来にわたって生活の質を良い状態に保つ事」です。

症状

手指のこわばり、関節の疼痛や腫脹、軟骨破壊、骨びらんによる関節の破壊。進行すると関節が変形、脱臼、癒合し、関節機能が障害され、日常動作や日常生活が損なわれます。約1:3の割合で女性に多く、好発年齢は30-50才。発症には環境要因と遺伝要因の両方が重要とされています。喫煙習慣、腸内細菌叢の変化、歯周病をおこす菌との関連が指摘されています。ある種の遺伝的背景を持った人に環境要因が加わることにより、発症すると考えられています。

関節リウマチの治療

1.抗リウマチ薬
メソトレキサート、サラゾスルファピリジン、ブシラミン、タクロリムスなどがあります。体の免疫反応に作用し、効果を発揮しますが、作用機序が明確ではないものもあります。メソトレキサートの週1日の内服は、世界の標準的治療法です。ただ間質性肺炎、骨髄抑制、肝障害などの副作用に注意が必要です。
2.非ステロイド系抗炎症薬
疼痛・発熱物質であるプロスタグランジンの産生を抑制し、痛みを止めます。プロスタグランジンには胃粘膜保護作用や腎臓への血流を保つ作用もあり、これを抑制することで胃潰瘍や腎障害が起こりやすくなります。免疫反応そのものは改善せず、疾患活動性の改善効果や関節破壊の抑制効果はあまりありません。
3.ステロイド
痛みだけでなく免疫反応も抑えることにより、疾患活動性を抑制できる薬です。1948年に関節リウマチの患者に投与され、炎症を強力に抑制する事が知られるようになりました。しかし投与量と投与期間によっては、感染症、骨粗鬆症、胃潰瘍、中心性肥満、糖尿病、高脂血症、高血圧など多彩な副作用の危険性が増加します。他の薬剤が副作用などで使用できない場合や、一時的に活動性を抑制するためなどに使用されます。
4.生物学的製剤
痛みを止め、関節破壊を抑制する効果は劇的で、使用が増加しています。ただし免疫力を著しく低下させるので感染症(結核、肺炎など)を起こしやすくなります。そのため免疫抑制剤や生物学的製剤を開始する際には、活動性の感染症があれば、まずそれを治療することが重要です。高齢者、呼吸器疾患、6mg/日以上のステロイド内服、糖尿病などは、重篤な感染症を起こす危険性があります。結核を発症する危険性のある場合には抗結核薬の予防的内服を行います。生物学的製剤だけでなく、リウマトレックスⓇによる治療においては免疫力を低下させることで、肝炎ウイルスの再燃、劇症化が起こる可能性があります。このため治療前にHBs抗原、HBs抗体、HBc抗体、HCV抗体を測定して肝炎ウイルスの有無を確認すべきであるとされています。肝炎ウイルス陽性の場合には肝臓専門医の協力のもとで関節リウマチの治療を行う必要があります。
5.手術
関節が破壊されますと、薬やリハビリテーションのみでは関節機能の改善は期待しにくく、手術による機能回復が必要となります。生物学的製剤の進歩で、関節破壊の抑制がかなりできるようになり、大関節の手術(膝関節、股関節などの人工関節置換手術)は減少する傾向にありますが、手指などの小関節の機能改善手術はむしろ増加傾向にあり、より高い関節機能の改善を目標とする傾向にあります。

リハビリテーション

運動器リハビリも行っています

当院では病院退院後に必要とされる機能回復のためのリハビリや、高齢者の方々の運動機能維持のためのリハビリを専門医と理学療法士、柔道整復師とで行っております。

対象としては、骨・関節疾患(骨折・変形性関節症・人工関節術後・腰部疾患・リウマチ等)や脳血管疾患後遺症など、急性期から慢性期まで対応しております。

リハビリテーションには機能訓練とアスリートリハビリの2種類があります。機能訓練では怪我・手術後の日常生活機能回復の為のリハビリを行い、アスリートリハビリでは競技復帰の為のトレーニング・指導を実施します。

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