健康・介護のまめ知識
2010年4月30日
胃瘻(PEG)について
「胃ろう(PEG)」について
「胃ろう」ってなに?
PEG(ペグ)は胃内視鏡(胃カメラ)を使ってお腹に小さなお口をつくる手術です。お腹にチューブを入れ、そのチューブを通し栄養剤を入れることができるようになります。チューブの入る孔(お腹の口)を胃ろうといいます。
どんなときに胃ろうを造るのですか?
口からだけでは十分な栄養を安全に摂取できない場合に胃ろうを造ることがあります
・うまく食べ物が飲み込めない。むせてしまう。(嚥下障害がある)
・肺炎を繰り返す
・食欲低下、食事量の不足
・病気により食事が取れない
・頭・顔面の外傷のため長期間口から食べられない
なぜ胃ろうを造るの?
十分な栄養を取るためです。
食事が十分に取れず栄養失調になり衰弱することを栄養障害といいますが、栄養障害になると抵抗力がなくなり病気にかかりやすくなる、病気が重症化しやすくなります。
しかし、食事が取れないときでも、他の方法で栄養を補うことで栄養障害を改善する事ができます。その方法のひとつが胃ろうです。
他の方法(抹消静脈栄養法 中心静脈栄養法 経鼻胃管法 食道ろう)に比べ管理がしやすい、トラブルや苦痛も少なく長期に継続が可能な方法とされています。
胃ろうを造った後の生活は?
口から食べることもできます
飲み込みのリハビリテーションを行って食べられるようになる方もいます。
安全に食べられるものであれば食べてもよいです
シャワー、入浴もできます
シャワー、入浴ともまったく支障がありません。入浴はそのまま行い石鹸でしっかり洗い清潔に保つことが大切です。胃ろうの周りを絆創膏などで覆う必要はありません。
胃ろう増設前と同様に歩行も可能です
歩行できる方は、制限なく歩けます。体力がつきますので、リハビリも安心してできます。
胃ろうは、必要なくなれば簡単にはずせます
体力がつき、口から十分に安定して食事ができるようになれば胃ろうチューブを外すことができます。数分で外せ、外した後の孔も1日程度でふさがります。
在宅でも安全に容易に取り扱うことができます
栄養剤・流動食を胃ろうチューブにつなぐだけなので患者さんにも介護の方にも負担が少ない栄養管理が可能です。
胃ろうのトラブルはあるの?
胃ろうをつくるときのトラブル
出血、肺炎、創感染、腹膜炎、腸閉塞などのトラブルが起こることがあります
胃ろう造設後のトラブル
肺炎、下痢、便秘、栄養剤のもれ、皮膚炎、チューブ抜去、チューブ閉塞、交換時の損傷
トラブルが起こった場合は、在宅医・訪問看護などと連携をとりながらいっしょに対処
していくことができます。
長期に食事が取れずにお困りの方はかかりつけ医や胃腸科や消化器科などの専門医に相談しましょう。
ふじのもり訪問看護ステーション H22・5・1更新