健康・介護のまめ知識

2020年5月25日

こむらがえりについて

〇 こむらがえりとは...

皆様も一度はなったことがあるのではないでしょうか?

今回はこむらがえりについてご説明したいと思います。

まずこむらがえりの「こむら」とはふくらはぎのことを言います。

ふくらはぎの筋肉が緊張から縮んだ状態が続くと無意識に伸ばそうとする力が働くことで、激しい痛みが起こることがこむらがえりと言われています。

関西を中心に蛇のコブラに形が似ているやコブラに噛まれて痛い場所からなどで「コブラがえり」という言葉は

はありますがそれは俗説で、本当はふくらはぎが急な動きや運動に反応することにより緊張や痛みが返ってくるといった意味の方が正しいかと思います。

〇 こむらがえりの原因

・水分不足

・電解質の異常(特にカルシウム、マグネシウム、カリウムなど筋肉の収縮弛緩にかかわるミネラルの不足)

・運動不足、運動過多

・外側からの冷え(クーラーや扇風機に長時間あたる)

・内側からの冷え(循環不全による)

・ホルモンバランスの変化(妊娠中)

・薬の副作用

・病気(糖尿病やジストニアなど、透析患者)

などいろいろありますが、原因が一つでないことや上記のもの以外など様々です。

特に下3行に書かせていただいたものは、より複雑でお医者様に相談する必要が強いと考えます。

〇 こむらがえりにならないための対処方法

原因がはっきりとしない場合が多いので、絶対ではないですが栄養バランスの整った①食事(電解質バランス)と定期的な②運動習慣(運動不足、冷え)とストレッチ、③水分補給(水分不足)が重要かと思います。

〇 それぞれの原因に対するチェック方法と対処方法

① 電解質の異常(特にカルシウム、マグネシウム、カリウムなど筋肉の収縮弛緩にかかわるミネラルの不足)

・カルシウム 筋肉を縮める作用があります。

小松菜やチンゲン菜などの葉物や牛乳、干しエビに多く含まれます。

・マグネシウム 筋肉を緩める作用があります。

あおさ、大豆、カボチャの種、木綿豆腐などに多く含まれます。

・カリウム 筋肉を正常な状態に保つ(神経伝導に関わる)作用があります。

バナナ、メロンなど果物やホウレン草、イモ類、アーモンドなどに多く含まれます。

ご持病によっては摂りすぎてはいけない食べ物もあるかと思いますので、その場合はお医者様に相談しましょう。

大事なことは栄養の偏りを少なく、バランスの良い食事をすることです。

② 運動不足 冷え(循環不全による)

ふくらはぎの運動やストレッチが効果的だと言われています。

ストレッチで疲労物質を溜めない。運動で循環改善。簡単な例を下の写真にあげさせていただきます。

下腿三頭筋のストレッチ

下腿三頭筋.png

踵挙げの運動

踵挙げ.png

冷え(クーラーや扇風機に長時間あたる)

ブランケットなどをかけて直接風を当てないようにしましょう。(乾燥や気化熱を起こさないため)

靴下を重ねて履くや足湯なども効果があると思います。

「頭寒足熱」という言葉があります。文字の通り頭を冷やして、足元を温めると身体に良いという意味です。

身体の熱は上へ、冷えは下へと動きやすい傾向があります。

そのため、のぼせや手足の冷えが起こりやすくなります。

熱が上へあがりのぼせが起こると脳が身体全体を冷やせと命令を出し、冷え症を助長することがあります。

身体全体が冷えると代謝機能は低下し、免疫力も下がってしまいます。

ふくらはぎは第2の心臓とも呼ばれており、ふくらはぎから身体全体(特に上に向かって)に血液を運ぶ働きがあります。ふくらはぎの血液循環が悪く、冷え症状が起こっていると身体全体が冷えて代謝機能は低下し、免疫力も下がってしまいます。

こういった悪循環を起こさないためにも、「頭寒足熱」という言葉を意識されても良いかと思います。

③ 水分不足

一日の水分摂取量と排尿回数を記録してみましょう

一日の水分摂取量は1500㎖~2000㎖程度(アルコールやカフェインを含むものを除く)と言われています。

食事に含まれる水分(味噌汁やスープなど)もあるので、正確に摂取はできませんが目安にしてみては良いかと思います。

排尿回数に関しては一日7~8回くらいと言われています。朝2回 昼3回 夜2~3回くらいです。

また尿の色も見てみましょう。ビタミン剤などを飲んでいないのに尿の色が濃い(濃縮尿)の時は身体が脱水状態になっているサインかもしれません。

後は舌診で水分量をみるという方法もあります。唾液の多さ、舌の大きさ、苔の多さなどで判断する方法です。

唾液が少ない、苔が少ない・割れている、舌が小さい、乾燥しているなどが当てはまる人は注意が必要です。

舌は「内臓の鏡」とも呼ばれ、毛細血管が多く体調を確認するのに適していると言われています。ただ毎日チェックしていないとわかりにくいことなので、意識をして鏡で舌を診る習慣をつけてみても良いかも知れませんね。

ページトップへ戻る